とても大きなブルーの瞳と鼻から口許への彫りの深い線、そして、
肩まで垂れ下ったブロンドの髪を誇らしげに、記者の質問に対しては、
喋り出す前に瞬間、言葉を考え出すのでしょうか、首を横に瞳が一点
に止まります。可愛いいマドモアゼル、フランス・ギャルが6月8日に
来日、9日に東京プリンス・ホテルで記者会見をした印象が昨日の
ように想い起こされますが、すごく小さくて、頭の良さそうな感じが
強くしました。
フランスのシャンソン界は、彼女やジョニー・ハリディ、シルヴィ・バルタン
などの出現で大きく変わりましたが、やはり、“時代の流れ”が強く
感じられます。これらの歌手は当然出るべくして出て来た人達なのです。
中でも、ギャルの声は一番変わっていて、まだ子供っぽさがぬけ切ら
ない、全くヴァイブレーションのない不思議な歌い方をします。でも、
皆さんも同じように感じたと思うのですが、「夢みるシャンソン人形」を
初めて聞いた時、素晴らしく惹きつけられたでしょう。それまでの既成の
歌手にない発声法をします。でも良く聞くと、非常にリズムに乗って
います。「ジャズ・ア・ゴー・ゴー」(FL-1154)「ベイビー・ポップ」
(SFL-1053)は、もう一つのフランス・ギャルを知る上での貴重な作品
です。
フランス・ギャルは1947年10月9日パリ生まれといいますから、今年
19才。身長、159センチ、体重42キロで、非常に小柄です。お父さんは
反対に非常に大柄で、やさしそうな人柄の作詞家。シャルル・アズナ
ブールのヒット曲「ラ・マンマ」は彼の作品です。家族構成はその他、
母(セシル)と双児の兄(パトリスとフィリップ)の5人家族です。音楽
環境に恵まれていた彼女は、中学生の頃から歌とギターを習い始め、
16才の時、お父さんの友人のドウニス・ブルジア氏にテープを聞いて
貰い、17才の誕生日の時、オーディションを受け合格、その11月に
デビュー盤「はじめてのバカンス」(※注:「恋のお返し」が正しい
デビューです。)を出しています。翌年の「ジャズ・ア・ゴー・ゴー」
「クリスチャンセン」(FL-1165)「シャルマーニュ大王」(FL-1165)等の
ヒットで、シルヴィ・バルタンとフランソワーズ・アルディを追い越し、
フランスのトップ・スターになったのです。彼女が世界的なスターに
なったのは、ご存知の通り「夢みるシャンソン人形」(FL-1173)で、
1965年度、第10回ユーロビジョン・コンテストでグランプリを獲得、
以後、「涙のシャンソン日記」(SFL-1023)「天使のためいき」(SFL-
1040)「すてきな王子様」(SFL-1053)などのヒットがあります。
―曲目紹介―
■アニーとボンボン LES SUCETTES
「夢みるシャンソン人形」や「涙のシャンソン日記」「天使のためいき」
など、ギャルのヒット・ソングを一手に引き受けて来た38才の作曲家
セルジュ・ゲーンスブールの新しいシャンソン・ロックです。
“アニーはアメン棒が好き
ニッキ入りのアメン棒が好き
アニーのアメン棒は
彼女のするキッスに
ニッキの香りをそえる
ニッキ入りの麦芽のアメが
アニーののどを流れると
彼女は天国にいる気分………”
可愛らしい歌の内容とは反対に、バロック調の古典的な感じの
アレンジで歌われていますが、テンポはいわゆる“フランス・ギャル・
テンポ”のソフトなロックで、ここでもタンバリンが効果的に使われた
スロー・ゴー・ゴー・ナンバーとなっています。
■わたしは幸せ ÇA ME FAIT RIRE
今度は明かるく軽快なロック・ナンバーです。作詞、作曲は
「クリスチャンセン」「パンス・ア・モア」などを書いたジャック・ダタンと
モリス・ヴィダランのコンビです。
“おかしくてたまらない
おかしくてたまらない アハハハハ
とっても仕合せ
楽しくてしょうがない アハハハハ
あなたとデートした日の夜は
ひとりでに笑いがこみあげる
それもあなたを愛してるから
アハハハハ。アハハハハ………”
年頃の娘さんの気持をギャルが代表して歌ってくれます。
(解説 TBS-DIRECTOR 北山 幹雄)
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